習近平は毛沢東になりたい!
そもそも習近平はなぜ中国の
指導者の地位に就いたのか?
中国専門ジャーナリスト福島香織が語る「チャイナリスク2017 衝撃の真実」
胡錦濤政権下で胡錦濤は、引退した後も解放軍を手なずけ、政治に影響力を持とうとした江沢民との激しい権力闘争を展開するが、その権力闘争では江沢民が優勢で、上海閥の周永康は公安部長を経て党中央政法委員会書記で政治局常務委員、つまり司法・公安部門の最高権力者となる。周永康がそこまで出世したのは、石油利権を独占する石油閥の立場にあり、潤沢な資金を用意できたことも関係する。周永康は警察や治安維持を担当する軍の下部組織・武装警察の指揮権を持ち、石油利権で得た資金も豊富な最強クラスの政治家にのし上がった。
周永康が政治局常務委員にのし上がったほぼ同時期、習近平は上海市党委書記出身で、江沢民とその腹心の太子党のボスである曾慶紅[一九三九~/第一六期中国共産党中央政治局常務委員。「第四世代」といわれる。太子党]に推される形で、ポスト胡錦濤の地位に就いていた。